百は、「ベーシックインフラ」の構築による「生きる(ライフスタイル)」の変革を目指して活動する団体です。ベーシックインフラとは、生活に最低限必要な食料とエネルギーのことであり、私たちはベーシックインフラの地域自給率100%を目指します。
ベーシックインフラの利点
東北地方における一般的なくらしでは、1ヵ月あたりの消費支出のうち約1/3を食料とエネルギーが占めています。

私たちは、ベーシックインフラの自給により、以下4つの目標が達成されると考えます。
➀原子力・火力発電の利用量の低減
家庭用電気において電力会社の保有する、原子力・火力発電由来の大規模電源の利用量を少なくすることができます。
➁二酸化炭素排出量の削減
食料とエネルギーを自給することにより、海外や国内他地域からの食料・燃料運搬や、火力発電により発生する二酸化炭素の排出量を削減できます。
➂最低限のライフラインの保証
食料とエネルギーがお金を介さずに確保されることで、貧困や災害時にライフラインとして機能します。
➃時間に余裕のあるライフスタイル
生活コストの内、1/3の出費が不要となることで、過度に労働に時間をつぎ込む必要が無くなり、豊かな時間を過ごせるライフスタイルに移行することができます。
「生きる」の本質
百は、「生きる」を「くらす、はたらく、あそぶ」の三要素から構成されているものとして捉えています。その中で「くらす」の基盤となるベーシックインフラを、可能な限り資本主義システムから切り離すことで、豊かなライフスタイルが実現できると信じています。
くらす
住んでいるコミュニティで生命維持に必要な「衣食住」のことを指します。
はたらく
「お金」を獲得するために行う労働のことを指します。
あそぶ
個人が娯楽として楽しむ時間を指します。

現代の生活において、これらがどういった関係になっているかというと、私たちは「はたらく」ことによってお金を得て、「くらす」ために必要な物を購入し、余ったお金で「あそび」ます。
百は、「くらす」のうち「水と食料」および「電気と熱」を自給することで、「はたらく」で得たお金の中で「くらす」ために必要な出費を少なくすることができます。それに伴い、過度に「はたらく」に時間を費やすことなく、ゆとりのある豊かな生活ができると考えています。さらに、「くらす」を自給する過程で「あそび」が生まれます。それは、外食や旅行のような消費的な「あそび」ではなく、例えば、薪生産や農業のように「くらし」を営む過程で副産物として生まれる生産的な「あそび」です。
また、「はたらく」と「あそぶ」の境目をつけずに働くことが出来る人の数は限られているのが現状です。社会が回るうえで、重労働をしなければならない人もたくさんいます。したがって、現代のシステムでは、自分の好きな「はたらく」を全員がしてしまうと、それはそれで社会が回らなくなってしまいます。
しかし、「はたらく」の部分で資本主義的な競争をするのは悪くないことだと思います。現代社会に生きている以上、資本主義からの完全な脱却は不可能です。私たちは、資本主義の恩恵の下、このような高度に科学技術と医療が発展した安全な社会に生きることができています。

すなわち、百の理念は、ただ過去の自給自足生活に戻るのではなく、「はたらく」と「あそぶ」の部分では資本主義を受け入れながら、「くらす」の基盤となるベーシックインフラの地域自給率100%を達成することです。
この理念に基づき、都市(仙台市、山形市)で仕事を持つ人たちでも参画可能な、里山地域(川崎町)の資源を活かした 「百の里」の構築を目指しています。